小説「西嶋君の送る…」
□西嶋君の水玉自殺学?
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―――――昼の温もりを残した夜風が、下からそっと吹き込み
スカートを広げる
西嶋はズームにしていたカメラのシャッターを迷わずきってしまった
佳乃は窓のへりから身を乗り出して自分にカメラを向ける怪しい男を見て急に生気を取り戻し、はなしかけていた柵を再び握ってしまった
「ハァ、ハァ、ハァ……っ」
落ち着いてしまったせいでさっきまで感じられなかった恐怖が背中を駆け上がってくる。
そうして呼吸を整えているとしたからデリカシーのないこえが聞こえてきた