小説「西嶋君の送る…」

□西嶋君という人は
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「おはよう」
言いたいことはたくさんあるが、
何分つかれているためそういう気にもなれない
「それにしても、こんなクラスいるだけ無駄だな。完全に選択ミスだ。
そうだ、将来私立学校を立てよう。指定スカートは黒、パンツは白だ。
純潔で可憐に見えるに違いない。」


河西が屋上で永遠と西嶋の話を聞き続けているとようやく訪れた春が鼻先を掠めて去っていく。ふと振り返ると真っ青な青空にはぐれ雲が浮かんでいて思わず魅入っていると
西嶋もその視線をたどる。
傷んでいない髪が春風に弄ばれる。
端正な横顔で微笑まれると、ろくなことをいわないとわかっていても思わずほう、とため息がでてしまいそうになる。

















――まぁ、結局かれにはどんな雲も白ならパンツと一緒なのだが。

俺は西嶋がまた変なことを口にする前に視線を空へ戻した






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