小説「西嶋君の送る…」
□西嶋君と黒のYシャツ
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西嶋がなんちゃって美人な男子だと知ったのはある日彼が風呂上がりに曇らないようにと眼鏡をはずしたときのこと。
二年間もつきあっていながら全く気付かなかったのは、
まさにそのめがねが理由なのだ。
太い縁にさり気なく描かれた銀の蔦がなんともおしゃれな眼鏡。
つける人がつければ超イケメンになれそうなその眼鏡は、
しかし西嶋がつければ牛乳瓶のふた!
眼球にニキビができたかのように、
西嶋のお顔をびっくりなほど平凡にしてしまうのだ。