妖精のお姫さま

□第一話
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シャラン


勇気をだしてギルドに入っていく
大好きな鈴の音も今は不快な音にしか聞こえない


『エ・・・エル、エルザぁ・・・』



ギルドに入ってすぐにある柱に身を隠しながら話しかける
聞こえるか聞こえないかぐらいの小さな声で話しかけたのにギルドのみんなが振り向く


「ペンネなのか!?」


エルザはあたりを見渡しながら僕の名前を呼ぶ
柱の後ろに隠れているのを見つけられると、もうこれ以上隠れては居られなくなりみんなの前にでる


『みんな・・・ただいま(ニコ)』


精一杯の笑顔で笑う
絶対引きつってると思うけど・・・


「ペンネ!!待っていたぞ!」


ガシャンっ


鎧に叩きつけられる
エルザは抱きしめてるつもりらしいけどかなり痛い

『エルザァァ・・・(泣)』


「どどど、どうしたペンネ!!」


『・・・・・・・・痛い・・・』


すごく小さな声でいうと


「そ、そうか!!会いたかったのか!!」


『えっ!?』


聞き間違われた・・・


「私も会いたかったぞ!!」


ガシャンっ


また叩きつけられた
みんな哀れそうな顔をして見てる
そんなに見てるんだったら助けてよ〜


『そ・・・そういえば何か僕に用があったんじゃないの!?』


「そうだ!!」


エルザはやっと鎧から離してくれる


「でも何で知ってるんだ」


『そこで聞いてたの』


ギルドの入り口を指差す


「どこら辺から聞いてたんだよ・・・
 ペンネのにおいなんてしなかったぞ」


ナツは信じられなさそうな顔をしている


『えっと・・・・・・
 エルザが誘うところら辺かな?』


さらりと言うとギルドのみんなが固まる


『どうしたの?みんなして口開けて』


いきなりギルドが静かになる
なかなかみんなの開きっぱなしの口が塞がらない


「おいおい・・・全然気配なんてなかったぞ」


「嘘だろ・・・」


『ね、ねぇ・・・ちょっと・・・』


やっと僕の声が聞こえたのかエルザがこっちを向いてくれる


「あっ・・・あぁ、すまない。ちょっとびっくりしてな」


『うん・・・、それで用は・・・』


「ナツとグレイと一緒に明日着いてきて欲しいんだ」


『わかった。エルザの頼みなら!』
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