SHORT

□奇跡の花
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幹斗と…クラスが違って良かった…

と、今日ほど思うことはない。


幹斗は、学校の女子にも人気だから。

「いっさきー!おっはよー!」
「要…はよ。」

同級生で、中学からの友達の小早河 要が相変わらずの元気さで話し掛けて来た。
いつもなら、ここで、「うざい」と言うところだが、今日は有り難い。

なんせ、只今気分がブルーまっしぐらなのだから。


「なんだー?今日は、元気ねーな」
「そうかー…?」

鋭いなー、要は。

「つか、お前さ。12月になるといっつも元気なくなるよな」
「あー…年末だからじゃね……?」

適当な事を言ってごまかし、俺は笑った。
要、心配してくれてんだよな。
サンキュ…

でも、言えねーんだよ。
お前にも。

いや、一番仲の良い親友だからこそ、言いたくないのかもな。
友達がホモとか、本当嫌だろうし……

あーぁ。
なんで、俺ってば、幹斗なんかが好きなんだろう。

クラスの女子だって、可愛い子一杯いるのに、目移りすらしねーし。


俺って、真性なのかも…

はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…




まじ、今日、溜め息多過ぎ、俺。


「いさきー」
「あー?」
「なんで元気ないかは、まぁ、聞かないけどさ。今日、遊びにいこーぜ。気晴らしに」

要…
気ぃ、使わせちまってるのがよく判る。

「サンキュー、要!そーだな。ぱぁーっと、カラオケにでも行くか…!」
「そうそう!じゃぁ、メンバー集めとくから、放課後校門前集合な…!」
「りょーかいー!」

要はそう言うと、笑って自分の席についた。
本当、出来た友達持ったな、俺…


要は、いいやつだ。

うん。



………幹斗とも。
こんな風に、普通の友達でいられたら良いのに…


幹斗。
今何してんのかなー…



窓の外なんか眺めながら、そんな事を考えたり…



ってぇー!
こういうのが、ダメになる元なんだろうがーー!!!!!





今日、
頭の中、ぐちゃぐちゃ…

幹斗ー

好き…………





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