実は寂しがりや
□俺たちってもしかして。
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する事もない。
ヒロさんは構ってくれない。
仕方なく医学書を引っ張り出して、ソファの大きく空いたスペース、ヒロさんの隣に座る。
「ん……」
「……」
さりげなく身を寄せて反応を見るが、迷惑そうに眉間にシワを寄せるばかりで本から目を離す事はない。
少しわざとらしいかもしれない。
それくらい大袈裟な溜め息をついて俺も重たい医学書を開く。
「はぁ……」
もちろん中身なんか頭に入ってこない。
考えるのはヒロさんの事ばかりで。
前の俺だったら。
こんなに甘やかされる前の俺だったら、こうして肩が触れてるくらいで満足したかもしれない。
でも…今は違うから……。
「おい野分、重い」
「…っ」
思わずかけてしまった体重に何の気なしにそう言われた時、俺の中で何かが溢れ出てしまって。
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