お題
□近距離注意報!
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「吉野、来ているのか?」
これで倒れて会社を訴えたら勝てる。
それくらいの深夜に帰宅すると、玄関に脱ぎ散らかされた靴が一揃い。
声をかけても変事がないからと言って、近頃では全く焦らなくなった。
「…やっぱりな」
こちらの方が寝心地が良いのだと、吉野は時々こうやって俺のベッドに潜り込む。
梅雨入り間近とは言えまだ肌寒い夜だと言うのに冷房を入れ、かけているものはタオルケット一枚。
もう良いか。
風邪でも何でも勝手に引け。
気だるい体をベッドに横たえ、冷房を止めて自分だけ毛布を被る。
疲れすぎるとかえって速攻爆睡と言うのはできないもので、暫く明日の段取りを考えていると背後で吉野が動く気配がする。
「と……りぃ…」
「な……」
やはり寒いのだろう、背中に密着されてはこちらは動くに動けない。
しかし吉野の高めの体温が確実に染み渡ってきて、意識せずにはいられないのだ。
しまった、もっと意図的に距離を置いて寝るべきだった。
暫くご無沙汰だったのもあって、頭も体も冴えてしまった気がする。
近距離注意報!
寝なければ明日に響くと言うのに。
いっそ叩き起こして襲ってしまおうかなんて、一瞬でも思ってしまったから。
昂ぶりだした感情と、疼く手のやり場を俺は暫く決められずにいた。
end.
中途半端!すみません…。
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