お題

□跳ね上がった心で気付いた
1ページ/1ページ

「もしもしトリ?ネームできたんだけど」


担当編集であり恋人である羽鳥に電話をかける。
内容はもちろん仕事の話。


「バイク便?郵送?」
「いや、今からそっちに行く」
「マジで?んじゃ待ってる」

それだけの短い電話。
特にこの所ネームで詰まっていて、トリとは本当に電話会議で話すだけ。


「でも久々に来るって言ってるし」


机の上にネームを積み重ね、筆記用具をきっちり揃えて、ソファに座る。

「トリの奴、遅いな…」


本当にすぐ会社を出てもまだ着きそうにない時間なのに、そんな風に思ってしまう。

ドキドキするのはトリが来るから?
ネームチェックだから?
今回のネームは自信作だから?

自分でもよく分からない。
分からない…けど。



ーーガチャ。


ドアの音がして



跳ね上がった心で気付いた。



やっぱり少しでもトリの顔が見たかった、会いたかったんだな…って。

俺はトリの事、そう言う意味で好きなんだな…本当の本当の本当に。





(…つまらん)(何だって?!)

end.


−−−−−−−−−−−

ブラウザバックでお戻り下さい

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ