不器用な2人

□恋人ってさ
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校了明け。
いつもの如く俺は吉川大先生もとい吉野千秋の世話をしに押しかけている。

世話をしに、と言いながら何だかんだ顔を見れて嬉しい事は否定しないが。


「おい吉野、いい加減に起きろ」
「……」


昨日も押しかけるなりそれなりに激しくしたし、疲れてはいるのだろうが、俺が起きてから5時間は経っている。

家の事はあらかた終わり、こうしてまた起こしにきているという次第だ。


「吉野!」
「いーやーだ!」


どうも目は覚めていたらしいが、布団を捲もうとすると全力で拒絶された。

それはもう少し寝たい、なんて甘えじゃなくて、
もっとあからさまに嫌がっているような何か。


「吉野…」


何を拗ねているのか知らないが良く言いふくませて起こしてやろう。

そうだ、上から威圧的に言うから悪いのだ、と俺なりに反省してベッド脇にしゃがんだ。


「あのな、吉野…」
「ぜ、ぜってー、しねーからっ」


頭を撫でてやろうと、触れた手をはたかれて、一瞬何が起きたのか把握できなかった。


吉野に拒絶された、ただそれだけで俺はえらく焦ってしまって。




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