不器用な2人
□側にいる理由
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「っあ、トリ…落ち着けって……」
「俺は十分冷静だ」
「嘘付け酔っ払い…あ、ん…っ…」
予想は付いていたものの、やはり前戯もそこそこの行為には辛いものがある。
落ち着けと頬を引っ張ってやりたい気は山々だが、後ろから抱きかかえられる様にして揺さぶられていては、それも叶わない。
「トリ…や、ぁっ……あ…」
「芳雪」
「…は……?」
「名前で呼べ、千秋」
低い声が響き、腰の奥が疼く。
そこを狙った様に突き上げられたら、俺だって理性が保てるわけもなく。
「よし…ゆ、き…」
「もっと…」
「っあ…あ……、ムリ…」
呼べと言っておきながら激しく突き上げるもんだから、呼んでやろうにも言葉を紡ぐ余裕もない。
「や、だっ…も、いく…」
「一緒にな、千秋」
大好きな声で囁かれ、最奥を突き上げられて、呆気なく果てた。
中にトリの欲望を感じてビクッと体が跳ねる。
後ろから抱きしめたままのトリを引き剥がして起き上がった。
あーあ、シャワー浴び直しだな…
文句の一つも言ってやろうと思ったらトリはもう寝ていて。
前にも思ったがいつもカッチリしている奴がこうも隙だらけ
だと何だか可愛くて。
怒る気力も失せて1人でシャワーを浴び、
何となくベッドに戻らずにソファで丸くなった。
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