不器用な2人
□うたた寝
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確信と言うよりプライドと願望だが、
吉野は全てに関して鈍感だから、自分の体調が崩れかけている事にも鈍感で、
俺より先に柳瀬が駆けつけている事はまずない。
「吉野?!」
押しかけてみるとリビングの電気は着いている。
「やっぱりそうか…」
ソファに倒れこんだ形の吉野は、苦しそうな様子など微塵もなく、スヤスヤと寝息さえ立てていた。
ホッとすると同時に、予測しようと思えばできたハズの結果に怒鳴ってやりたい気もした。
実際は気が抜けすぎてそれも叶わないのだが。
「お前なぁ…」
そっと髪をかきあげる様に頭を撫でると、頬に涙の後が認められた。
そう言えば今日の昼間は何時になくキツくダメ出しをしたな。
少し反省をしつつ、ソファの横の床に座り込み、機会的に頭を撫で続ける。
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