不器用な2人

□ラブレター
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「あ、あの…吉野くん、ちょっと良い?」
「へ?俺?」


昼休み、女子に呼び出された事があった。
俺はいつも通り優とトリとお弁当食べてて。


「言って来いよ、吉野」
「後で報告しろよ!」

「やめろってば2人とも〜」


その頃から少女漫画好きだったくせに、自分はとことん恋愛に疎くて。
…何故か、興味がなくて。




「あ、あのね?」
「うん…」

目の前に立ってる子だって可愛いな、と思う。
でも直感で分かる、この子が好きなのは…俺じゃないんだって。


「これ…羽鳥くんに渡してもらえないかな?」
「あ、あー…わかった」
「本当?ありがとう!…で、出来れば誰にもバラさないでほしいの、フラれたとき悲しいじゃない?」


差し出された俺宛じゃないラブレターを見て思う。

トリはモテる。
だけど俺の知る限り、まともに付き合った女子はいない。
唯一長続きした彼女もこの間別れたって言うし。


多分それを知っての言葉だろう。
この子、相当トリのこと本気だ。



「大丈夫だって。まぁ、渡しとくから」
「ありがとう!ごめんね、ご飯中に…」
「ううん…」



困るのはご飯を中断されたことじゃなくて、いつも3人一緒なのに、どうやって"誰にも"バレずに届けるかだ。





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