不器用な2人
□温もり。
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言葉がなくても何か通じているような。
ずっと一緒だった幼馴染だからこその感覚。
その安心感と心地良さから、俺は20年以上も離れられずにいるんだ。
「千秋…」
付き合い始めてからこんなに落ち込んだ事は初めてで、
だから今までよりちょっと、調子に乗って甘えても良いかもしれない。
千秋…嫌だったらごめんな。
心の中で謝って、愛しい人の脚に頭を預けた。
「トリ?」
嫌がってるのではなく、純粋に不思議そうな、でもって普段より少し慌てている千秋の声は耳に心地良くて、思わず微笑みが零れた。
どうしてお前はそんなに俺を癒すのが上手いんだろうな。
ちょっと家事ができるから兄貴ヅラをしている事もあるが、
本当に依存してるのは俺の方かもしれない。
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