不器用な2人
□いたずら心
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ネームを大事そうに封筒に入れて立ち上がるトリ。
「な、なぁトリ」
「どうした、他に直したい所でもあるのか?」
「そうじゃなくて」
あっ…、
両手を伸ばしたは良いけど、トリは背が高いから。
首に腕回せないかも。
胸ぐらを掴むみたいに羽鳥を引き寄せて、どうにかこうにか…。
ーちゅ、
「後でね、トリ……ぁ…」
「吉野、俺はまだ仕事中だ」
やべー、ポーカーフェイスは崩れたには崩れたけど、眉間に修正不能なシワが寄ってる……。
「帰ってきたら…覚えとけ」
「え、あ…トリ」
ギィ…ギ…バタン。
あれ、なんだこれ。
どうして?
ネームだとOKで俺はダメ?
別に少女マンガのヒロインになりたいわけじゃないけど、
今そんなに悪い事したかな?
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