不器用な2人
□不安
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「はぁ?!」
意を決してある夜に聞くと、素っ頓狂な声を上げる千秋。
暗くてよく分からないが、頬を染めているであろう事は容易に想像が付く。
「俺がいつ嫌なんて言ったよ」
「嫌と言わない代わりに
俺の事名前で呼ばないし
好きだと言われたこともないし
だいたいお前から求めて来た事もない
だから…」
「俺、トリが相手だったら嫌な事は嫌って言うし」
だから、俺はそれじゃ嫌なんだ。
別に嫌じゃない…じゃあ良くもないのか?
「こんなに好きなのは…俺だけか?」
「何言い出すんだよ、トリ…しっかりしろって」
茶化すように軽かった千秋の声も、真面目になってくる。
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