実は寂しがりや

□俺たちってもしかして。
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「へー、また新刊出たんだ」
「宇佐見さん…ですか」
「あー、うん、そう」


本が出るたびに送られてくる小包。
何でよりによって2人揃って休みの日にこんな物が来るんだろう。

ソファに沈み込んだヒロさんは分厚いハードカバーの表紙をめくったきり、文字の羅列以外の何にも興味を示さない。

別に本には何の罪もないし、ヒロさんが本を読むのを止めたいわけじゃない。
趣味は尊重してあげたい。
本を読むヒロさんも可愛くていつまでも見ていられる。


…ただ、宇佐見さんに休日を邪魔されたようで。
宇佐見さんが書いたってだけで、あんな無機物のくせに、と思えてしまって。


その事だけが、どうしようもなくムカつく。


くだらない嫉妬だってこと、
自分でも良い加減分かってはいるのだけれど。



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