不器用な2人

□ラブレター
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「お、お待たせ〜」
「あ、どうだった?」
「柳瀬、個人的なことに突っ込んでやるな」


トリも本当にこう言うことには無関心みたいで、
でもその言葉にかばって貰った気分になって、俺はちょっと嬉しくなった。



--*--*--*--*--*--


「じゃーな!」
「うん、また明日」


帰り道、3人が別れる交差点まで来た。
なんか優を裏切ってるみたいで俺はこう言うのすごい嫌だけど、別れて少し経ってから、
後戻りしてトリの背中を追って走った。



「吉野…どうした、帰らないのか?」
「え?あぁ、ちょっとお前に用があってな」
「なんだ?」

トリは告白なんかには取り合わないし、下手すれば無口で冷たい部類なのに、たまにこうやって微笑む。


「あの…昼休みの」
「あぁ、あれか。どうするか悩んでるのか?」
「違う!そうじゃなくて…これ」


女子から預かった手紙を差し出しながら、

何となく、トリがあの子と付き合うとなったら俺は喜べるのか、と思ってしまった自分がいる。




「お前に…渡しとけって…」
「あぁ」


やっぱり、受け取ってはくれたけどまた興味なさそうな顔をした。


いつも通りのトリだ、とちょっとホッとしてる自分がいる。




でもそんな事、本人に言える訳がない。


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