不器用な2人
□いたずら心
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「吉野、ネームできてるか?」
「あっ、トリ!」
仕事場に、呼んでもいないのにトリが来てくれた。
しかもちょうどネームが出来上がった所。
顔見れた事も嬉しいし、ジャストタイミングなもんだから、やっぱり何か通じてるのかと、
ちょっと思っちゃったりして。
「うん、言われたとこ、直しといた」
「見せてみろ」
トリのチェックを受けている間、最初はトリの顔色を窺ってたんだけど、何かだんだん見惚れてきちゃった。
「良いだろう、明日には返しに来る」
「う、うん」
あ、そうだ。
いたずら心が湧き上がってくる。
お、俺は女じゃないけど、今回のヒロインみたいにたまには俺から…キス…とかしたら、
羽鳥の鉄壁ポーカーフェイスも崩れるのだろうかと。
仕事中って怒られそうだけど、たまには良いじゃんね。
ネーム帰って来てからはまた暫くご無沙汰になるわけだし。
「夕飯、ちょっと遅くなって良ければ作りに来るが」
「うん、楽しみにしてる」
頑張れ俺、やるなら今だ。
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