遠慮ばっかり

□アイカギ
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「作っちゃった…」


俺がたまたま休みで、雪名がバイトの時間。
俺は1人で出かけていた。

鍵屋さんに入るまでは抵抗があったが、入ってしまって何もしないで出てこられる訳もなく、

今手の中で銀色に光っているのは、作ったばかりの部屋の合鍵だった。


泊まりこまれると落ち着いて眠れないから、せいぜい来たい時に来て、夕飯でも作ってもらって、2.3時間一緒に過ごして帰ってもらおうと言う気遣いからだった。


(なんて言っちゃって)


渡した時の雪名の笑顔を一番楽しみにしている自分に、苦笑いを禁じ得ない。


(バイト終わったら家来るって言ってたよな)

その時に渡そう、と心に決めた俺は、真新しい鍵を一際強くにぎりこんで家路を急いだ。



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