遠慮ばっかり

□雪名の服
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雪名が泊まり込み始めて5日目。
だんだん帰宅した時に迎えてくれる奴がいることが心地よくなってきて


「ただいま…」

(あれ、まだバイトから帰ってないのか?)

逆に、ひとりぼっちがさみしいと思う様になってきている。


「洗濯物でもやっとくか…」

2人分に増えたおかげで小さい山のようになっている、取り込んで取り込みっぱなしの服の前に座る。


「雪名…」


服を見て本人が恋しくなるなんて変な気分だ。
でも自分のより遥かに大きい服を眺めていると、変な気が湧き上がってくる。


自分でもおかしいって分かってる。
もう夜も遅いし、寝ぼけてるのかもしれない。


「うわ、本当にでかいな…」


上着を脱いで薄着になった上から雪名のVネックをかぶってみる。

肩幅なんてあまりまくってて手は出ないし、首元もだらしなく見えるし、丈に至っては女性もののチュニックみたいになっている。


(でもなんか、雪名の匂いする…うちの洗剤で洗ってるのに)


そんな事を考えていると、玄関のドアが開く小気味良い音がした。




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