年の差恋愛

□ほろ酔い
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「やべ……」


ただでさえ学部長命令はたまにしか来ないのだが、今日は飲みに付き合えと言う本当に珍しい注文で。
断れずに強い日本酒を煽ってしまった。


「アルコール抜いとかなきゃ…明日はヘロヘロだな…」


体は幾分火照っているが、教育者としてみっともない真似はさらさない程度の理性は保っている。
もう日付も変わるだろうと言う頃、ようやく家に辿り着いた。


「おせーよ宮城っ」
「あ…忍ちんまだ起きてたの?」


リビングの入り口で、小柄な同居人が仁王立ちをしていた。
昼間の格好のままな所を見ると、風呂にも入らずに待っていたのだろう。

俺は忘れてしまった健気さを目の当たりにして、ふっと頬が緩む。


「1人で笑ってんじゃねーよ!俺は…」
「文句ならお前の親父さんに言え」
「おい宮城っ!」


忍ちんを押しのけるようにしてリビングのソファに沈み込む。
ふかふかで、気持ち良くて、もう水取りに行くのもだるいかも…。


「酒飲んだ後って、水飲むんだろ」
「あぁ、そうだな」


打って変わって静かになった忍ちんの声がする。
本気で心配をさせているのかもしれない。
でも元はと言えばコイツの父親のせいだと、酔いで気が大きくなっているのに任せて責任転嫁する。


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