実は寂しがりや
□ひとりぼっち
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「半年、か…」
野分が音信不通になって半年がたった。
帰っても何の音もしない部屋。
ひとりぼっちの夕食。
今まで何とも思わずに何年間も続けて来たのに、野分が現れてから俺は変わったらしい。
1人きりの夕飯は寂しいし、食べる量も減った。
アイツは、今どこで何をしているのだろう。
最悪の場合……
生きていない、可能性さえある。
孤児院の事は野分には聞きづらくて、だから養父、養母に消息を尋ねる事も叶わない。
「畜生…」
なぁ、野分。
お前はちゃんとやってるのか。
こんなにグチャグチャになってるのは俺だけか。
…会いたい。
殴ってしまうかもしれない。
泣いて縋り付くかもしれない。
だけど…このまま1年、2年…経つてしまうと思うと、やりきれない。
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