実は寂しがりや
□フォトアルバム
1ページ/5ページ
ある日突然全くなんの前触れもなく
母親から小包が届いた。
「ヒロさん、何ですか?それ…」
「それは…俺が知りたくてだな…」
大判の図鑑くらいのサイズのそれは、ずっしりと重たくて。
今までの事を考えると、母親の持ちかけてくるものは見合いばなしやら何やらろくなものがない。
俺が恥をかくだけならまだしも、野分を傷つけるようなものが入っていたりしないだろうか。
「開けてください、俺も気になります」
「何が出て来てもビビんじゃねーぞ」
「はい、ヒロさんこそ」
施設育ちの野分には社会人になって親から送られてくるものに純粋に興味があるのだろう。
見せてやりたい気もする。
ービリビリッ
「なんだこれ?」
(弘ちゃん一人暮らしだとこういうもの買わないでしょう。京都旅行に行ったから美味しいお漬物送ります……)
出て来たのは柴漬け、味噌漬け、奈良漬け……
とりあえず漬物のオンパレード。
.