実は寂しがりや
□君=花 〜草間野分の場合〜
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「ヒロさん、ただいまです」
遅番から帰ると、電気は点いてなかった。
もう、寝ちゃったのかな。
「ヒロさん…」
いた。
窓を開け放してベランダで1人、空を見上げてて。
風になびく髪と、細い体のラインはいつ見ても綺麗だ。
「野分か?お帰り」
「何見てるんです?」
返って来たのは言葉だけで、振り返ってもくれないから、気になってベランダに出てみる。
「星。たまに見ると良いよな…」
「そうですね」
何と言うか、「良いよな」と金星に微笑むヒロさんが素敵すぎて。
相槌を打てる位置に自分がいられる事が幸せで。
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