お題
□無防備にも程がある
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「進行係も慣れただろう」
「ええ、…まぁ……」
「印刷所とさ…ってまた寝てんのか」
終電でまであと数本、深夜の電車はガラガラだ。
小野寺が隣に越して来た時はビックリしたが、おかげさまで電車の中で会議もできるし、急に呼び出す事もできる。
…仕事以外でも。
「おい小野寺、着いたぞ」
「……」
「ったく…仕方ねーな」
だが電車の中で爆睡されるのには参っている。
男とは言え小柄な小野寺を抱えて帰る事はできるし、それに対して文句を言うつもりもない。
「小野寺、」
しかし部屋に連れ込んでベッドに下ろしても起きないと言うのはどうなんだろう。
俺の事なめてんのか、それとも…誘ってんのか?
どちらにしたって突っ込まずにはいられない。
無防備にも程があるだろ
そして早ければ夜のうち、遅くとも明日の朝には小野寺に怒鳴られるだろうと分かっていながら、
俺はコイツの服に手をかけるのだ。
fin.
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