新婚みたいな

□一緒にいる時間
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「おい、手伝えよ」
「俺?」
「他に誰がいる、ひよが帰ってくるまでに洗濯物やって飯の支度すんだよ」
「へーへー」


気のない返事をして、桐嶋はリビングの真ん中にあぐらをかき、横澤が放り込んでくる洗濯物をたたんで行く。


本当は3人で出かけたかったけど、たまにはこんな休日も良いかもしんねーな、…新婚みたいで。


言ったらアイツはまた熊よろしく吼えるだろうから言わないけど。


「何ニヤニヤしてんだよ」
「何でも」
「気味悪ぃ…」


呟きながらも案外近い場所に横澤が座る。
2人で洗濯物をたたむ沈黙も、決して気まずい物ではなくて。


あとはひよの「ただいま!」が来れば、完璧な休日の完成だ…と桐嶋はまた頬が緩みそうになるのを必至でこらえるのだった。



end.
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