新婚みたいな

□一緒にいる時間
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「横澤〜」

横澤が寝ているのを確認し、隣に寝転がる。
横澤の腕を持ち上げ、わざわざ首にかけさせると、丁度桐嶋が抱き付かれたような体勢になるのだ。


(驚くだろうな、コイツ…)


そうしておいてから横澤を起こしてやろうと、桐嶋は横澤の額を軽く小突いた。


「……ん、」
「あ、起きたか?」
「…って、は……近っ…」


眉根にシワを寄せた横澤がゆっくりと目を開け、不思議そうな顔をした後、自体を把握した途端慌てた表情に変わる。
桐嶋はその百面相を面白がって眺めていた。


「逃げんなよ、横澤」
「逃げてなんか…ってか帰ったなら起こせよ!」
「声かけたら横澤の方が抱きついてきたんだぜ?」


桐嶋は逃げようとする横澤の腰に抱き付いて捕まえる。
望んでいた反応が引き出せて何とも気分が良い。


「嘘だっ、そんな事…」
「嘘?」
「ひ、ひよは…」
「とっくに出かけた」
「そうか…悪かった、」


途端にしゅんとなった横澤が可愛くて仕方がない。
桐嶋は上半身だけ起き上がった横澤を押し倒すと馬乗りになり、肩を押さえ付けた。


「おいコラ、何すんだ…っ」
「愛情表現」


予定変更。
横澤と2人きりの時間を楽しむ事に
する。


元とは云えば無防備に寝姿晒してるコイツが悪い。



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