新婚みたいな

□一緒にいる時間
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「お帰りなさい、パパ」
「どうした?」


何があったわけでもないだろうに声を潜めて迎え出る日和に、桐嶋は微かな不安を覚えた。
その不安を裏付けるように、いつもは仏頂面で出迎えてくれる横澤は、玄関に姿を現さない。


「横澤のお兄ちゃん、寝ちゃったの」
「寝ちゃった…?」


日和の話によれば、横澤は掃除、洗濯、風呂洗いに日和の髪型と精力的に働いたようだ。
そして昼ごはんを摂った後、少し休むと言ったきり起きて来ないらしい。

(…んだよ、心配して損した)


だから起こさないであげて、
と言う日和に頷き、遊びに行くと言うので送り出して、桐嶋はやっと一息ついた。


「横澤、マジで寝てんのか?」


荷物を置いて寝室に入ると、横澤はベッドに横になっていて、当然のように返事もしない。

…3人で過ごすハズだったのに、
日和は遊びに行く、横澤は寝てる。

それを思うにつけ、桐嶋の中で満たされない欲求が湧き上がり、何とも幼稚なイタズラを思い付かせた。



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