小説『恋愛系』
□花咲く君へ
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いつものように、私は学校へ登校していた。
何も変わらない日々、何もしない日々・・・そんな日々が過ぎていくだけで、この時は何も感じない。高校に通っているだけで、友達と一緒に話しているだけで・・・あとは何もない。
私の周りには、恋をしている人がたくさんいた。
親友の悠佳もその一人だった。
「ねぇ、悠佳は恋をしていて楽しいの?」
ふと、聞いたことがあった。
悠佳は、笑顔満開で。
「楽しいに決まってんじゃん!」
と答えた。
恋とは、楽しいものなんだ・・・
私には理解できなかったけど、毎日彼氏の友春くんといて楽しそうな悠佳を見ると私も彼氏がほしいと思ってしまう。
でもそれは、私の勝手な理由だ。彼氏がほしいのは楽しそうだから、興味があるから・・・ただそれだけの理由。
そんな理由で付き合わされたらたまったものじゃないと思う。
だから私には必要ないのかもしれない。
付き合うのは楽しいと思うけれど、恋に興味がもてない私には、思うだけで感じられない。そう思う自分がいた。
「でさぁ」
悠佳が登校中彼氏とずっと話していても私は気にならない。
むしろ、話に加われと言われたら無理だ。
男の人が苦手なわけじゃないけど、なぜか話せない。
でも、話してみたい気はした。
私たちは、教室に入る。
クラスは、二人とも同じだった・・・。
私のクラスメイトは、大半が恋人もちの人ばかり・・・。
クラスの中で、すごくモテるのは私の親友で幼馴染の悠佳。
彼氏がいるのにも関わらず、告白されるらしい。それだけでなく、彼女の身の回りの手伝いをする人もいるようだ。
だが、彼女は優しくて明るい。性格も悪くないし、私の一番の親友。
その悠佳が、私にある言葉を放つ。
「あんたも彼氏つくりなよ」
「え・・・」
私は、困った。
私にとって彼氏は必要なのか、それともいらないのか・・・
でも、考えている余裕はなかった。
悠佳はすでに紹介する人を呼んでいたらしい。
私は、紹介されることにした。
それが、君だった。