飴と愛

□媚薬
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「薬売り」

「はい、何でしょう」

「風邪をひいた」

「・・・名前さんは寝相悪いですからね」

「五月蝿い。というか何故お前が私の寝相が悪いことを知っている!?」

「さぁ、何ででしょうねぇ・・・」

「変態!」

「おや、まだ何もしていないではないですか。心外な」

「まだってことはこれから何かするつもりなんだな!?」

「おや、私としたことが口が滑った。うっかり、うっかり」

「阿呆死ね」

「で、風邪薬が欲しい、と」

「暴言に対してはスルーか」

「丁度、今良く効く風邪薬を持っていますよ」

「本当か。幾らだ?」

「別に名前さんにならただで良いですよ」

「それは駄目だ。いくらお前でもこういう所はしっかりしないと」

「・・・分かりました。それじゃあお金は後で頂くので、薬を先に飲みましょう」

「いや、別に家で飲むから良い」

「いえいえ、この薬は少し複雑でしてね」

「そうなのか・・・?」

「はい。何なら口移しでも構いませんが」

「・・・遠慮する」

「では、これを飲んでください」

「・・・飲んだぞ」

「はい、ありがとうございます」

「何だこれ、すごく苦いな」

「良薬口に苦しといいますからね」

「なるほど」

「それは良いとして、何か違和感はありますか?」

「違和感?・・・特にないが」

「あれ、おかしいですね」

「まさかお前薬に何かいれてないだろうな」

「さぁ?」

「すごく不安なんだが・・・」







 
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