飴と愛
□虚勢
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会話文だけ。
「どうしてそんなに逃げるのです」
「お前が嫌いだからに決まっているだろう」
「少しくらいサービスしてくれても良いでしょう」
「嫌なものは嫌なんだ。諦めろ」
「じゃあ抱き着くのは抑えるので接吻だけでも」
「悪化してるじゃないか！！」
「キスするのは嫌なんですか？」
「嫌に決まっているだろう！」
「じゃあ抱き締めさせて下さい」
「断る」
「・・・・・・。」
「・・・ッ、可愛い顔しても無駄だからな！」
「今確実に心が揺らいだでしょう」
「揺らいでない！」
「・・・・・・ぎゅー」
「わぁ！何をする、放せ〜！！」
「温かいですね。それに柔らかい」
「変態！」
「・・・否定はしませんがね。あぁいい香りがする」
「ちょ、マジやめろ。誰か、誰か〜！！」
「無駄ですよ。観念して大人しくなさい」
「くぅ・・・名前の一生の不覚だ」
「・・・そんなに嫌ですか」
「嫌に決まっているだろう」
「しかし、」
「？」
「嫌がるにしては反応が可愛らしいのは何故ですかねぇ」
「・・・・・・お前の眼にフィルターでもかかっているんだろう」
「何ですか今の間は」
「うるさい黙れ」
「はい、はい」
「お前は、」
「？」
「お前は、私の虚勢など見透かしてしまうから嫌なんだ」
「虚勢？」
「・・・言わせる気か」
「あぁ、嫌いっていうことですか」
「ッ！！皆まで言うな！」
「正解、ですね」
「言わなくても分かるだろう」
「私はお前のこと、嫌いじゃないかもしれない」
「・・・顔、真っ赤ですよ」
「煩い！！」
（いつかはっきりと言われてみたいものだ）
（いつか素直に好きって言えたらなぁ）