□巡り合わせ
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+奇襲組で現パロ
+サイとザジは木ノ葉高校、オモイは八雲高校の生徒設定

「俺チーズバーガーとファンタで。」
「じゃあビックマックとコカコーラゼロ。それとポテトも追加で。」
「そんなに食うのお前。」
「部活の後だから腹減ってるんだよ。」
「あー、成程な。さすが剣道部。」

レジの前で二人の高校生が並んでハンバーガーを注文していた。
一人はブレザーを着崩し焦げ茶の髪を真ん中分けにした少年。
もう一人は学ランを着てエナメルバッグと竹刀袋を肩から提げた、褐色肌で白髪の少年である。
お互いの制服が顕著に表しているように、二人共学校はそれぞれ違う。
言わば他校生同士の友人と言った関係だ。
知り合ったのはちょっとした騒動がきっかけだった。
そうして今ではこうして放課後に合流して一緒に街をぶらつく仲になっている。
会計を済ませてレシートを貰うと、早速席を取りに向かう。

「オモイー。カウンター席とテーブル席、両方空いてるけど。どっち行く?」
「テーブルで。スペースある方がいいだろ。」
「オッケー、場所取っとく。」

そう言うとザジは空いていたテーブルに向かい、椅子にドサリと自分の鞄を置いた。
これで一先ず安心できる。
何故ならここは駅前にある店舗で、すぐにテーブルが埋まってしまうからだ。

レジカウンターから自分達が頼んだ注文を読み上げる声が聞こえてきた。
すぐに戻ってトレーを受け取る。
カラフルな包装紙で包んであるバーガーと、紙で出来た容器から溢れたポテト。
ドリンクが入った紙コップ。
それを見ただけで腹の虫が音を立てた。
部活の後のせいかオモイは酷く空腹を感じていた。
これくらいの量なら十分食べれるだろう。
ザジがひょいとこちらのトレーを覗き込む。

「あー、やっぱ俺もポテト欲しかったな。分けてくれたりとかするか?」
「ええー、自分で買えよ。」
「俺、今金欠なんだけど?」
「ハァ…、ちょっとだけな。」
「やった!ラッキー。」

嬉しそうにガッツポーズを作る友人に思わず笑いがこぼれた。
人当たりのいい飄々とした性格のせいか、自然と彼には何でも許せる気持ちになってしまう。
恐らく学校でもこんな感じなのだろう。
誰とでも仲良くできるムードメーカーと言った所か。
尤も学校にいる時のザジを自分は何一つ知らない。
彼の方も学校でのオモイを知らないのだ。
出会いが出会いだった為、向こうはこちらの事を「腕っ節と正義感が強い頼れる他校の同級生」と思っているに違いない。
実際は全然違うのだが。
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