□日はまた昇る6
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「まさかこんな形でまた会う事になるなんて思いもしませんでしたよ。」
「私もだ。」

疲れを滲ませた声で呟くと、向かいに腰掛けている彼も苦笑して答えた。
黙って相手を見つめる。
霧隠れの額当てを巻き、眼帯で右目を覆っている青はいかにも厳格な雰囲気を漂わせていた。
耳の札飾りが微かに揺れる。
リブ生地のタートルネックのアンダーに着流しという出で立ちは五影会談の時と全く変わっていない。
自分達二人の間を隔てる机の上には、シーが書き付けた封印筒の巻物が置かれている。
青の話によると、任務で雷の国を訪れている時に偶然伝達鷹の死骸を見つけたらしい。
その鷹がこの封印筒を背負っていたのだそうだ。
今回雲隠れの里を訪れたのはこれを届ける為だったらしい。
思わず息をつく。
見つけたのが彼らで本当に良かった。
何せこっちはすっかり万策尽きていたのだ。

「この忍集団の事は我々もよく知っている。過去に何度かいざこざがあってな。」

霧隠れは随分前から彼らの拠点を探っていたらしい。
その為に何度も刺客を送っては居場所を掴もうと躍起になっていたのだと言う。
が、結果は悲惨なものだった。
どうやら彼らは今回を絶好の機会だと捉えているようだ。

「で、それでこっちと手を組もうと?」
「端的に言うとそういう事になる。」

机に置かれた巻物に目を落とす。
巻物にはびっしりと丁寧な筆跡の字が並んでいた。
ご丁寧な事に手書きの地図まで描かれてある。
いかにも几帳面な相方らしい。
━ホント、仕事熱心な奴だよお前は。
思わず小さく笑みをこぼした。
彼の残した文字。
それを見れただけでも十分今の自分には慰めのように感じられた。
神妙な面持ちで青が続ける。

「我々の目的は忍集団の討伐。君達雲隠れは仲間の救出。お互い利害が一致しているからな。」
「そうですね。」
「・・・それに、私的な感情も少しは混じっている。短い期間だったとはいえ、彼は私の部下でもあった。今もそれは変わらない。」
「青さん・・・。」
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