□日はまた昇る5.5
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━薬を打てば話すかと思ったんだが。
注射器を見つめ、金髪の男に目を戻す。
今までにかなり多量の薬剤を投与していた。
自白剤は勿論、興奮剤や麻薬の一種も試してみた。
念の為チャクラを抑え込む薬も打っておいたので、術はもう使えない筈だ。
普通ならそろそろ自分を保っていられなくなる頃だと言うのに。
彼はまだギリギリの所で無理やりそれを抑え込んでいるらしかった。
大した精神力だ。
が、それももう時間の問題だろう。
少しずつだが着実に、この男は追い詰められている。
この状態がいつまで持つか。

━あれを使うしかないか。
出来ればそれは避けたかったのだが。
目の前で辱められているこの人形のような男が哀れに思えてきた。
白い肌は血と精液がこびり付き、体のあちこちに注射痕が残っていた。
赤黒い痣もできている。
整った顔は苦しげに歪んでいた。
仕方がない。
ゆっくりと椅子から立ち上がり、部下達に呼び掛ける。

「お前らやめろ。このまま続けても無駄だ。」

その一声に彼らが一斉に忍の体を解放する。
どさりと倒れる音と共に彼は崩れ落ちた。
歩み寄って足で体を転がし、仰向けに寝かす。
傷と汚れに塗れた端整な顔がボンヤリとこちらを見上げてくる。
散々痛めつけられ穢された白い肢体に思わず同情を寄せた。
哀れな奴だ。
この忍耐も、実直なまでの忠誠も、全て雷影に対する物なのだろう。
里の為に自分を売り、たった一人犬死にしようとしている。
いっそ毒を飲ませた方がこの男にとっては幸せに違いない。
だが、死なせるつもりはない。
堕ちる所まで堕として情報を聞き出すつもりだった。
使える駒は最後まで使い尽くす。
それが自分達の方針なのだから。
上着のジッパーを開けて小さな細長い瓶を取り出し、金髪を掴んで彼の頭を持ち上げる。
切れた唇に瓶を持って行き、中に入っている液体を飲ませていく。

「ッ、んんっ・・・。」

こくり、こくりと白い喉が動くのが分かった。
瓶の中身を大方飲ませ終えると、静かに頭を降ろして寝かせる。
黙って彼の様子を観察した。
そして。

「っ、な、にを・・・く、うっ!?ああっ・・ぁあああッ・・!!」
「早速効いてきたか?」
「ぃ、あ、ッ!あつ、い・・・っ!!」
「知っていたか?感知タイプは人一倍薬にも敏感らしい。アンタは特別級だな。さすが雷影を護る犬だ。」

苦しげに彼がもがき始める。
与えたのは即効性の媚薬だった。
ただでさえ人より刺激を拾いやすい体質の体にとって、強過ぎる快楽は痛みと同じ位耐え難い感覚に違いない。
その上体を開いたせいでより快感に鋭敏になっている筈だ。
必死に床に爪を突き立てている為か、爪の間に血が滲んでいる。

「ぁ、あああ・・あ゛あ゛ッ、や、め、っひあ、っア、アアッ!!」

ビクビクと体を痙攣させ、ガクリと彼は力尽きた。
意識を手放したらしい。
死んだように気を失った相手を見下ろし、ニヤリと歪んだ笑みを浮かべた。
お楽しみはまだまだこれからだ。
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