□日はまた昇る6
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「君ならそう言うだろうと思っていたよ。君達はお互いが長年共に連れ添ってきた相方だと聞いている。」

静かに青が手を差し出す。
大きく皺の寄った、貫禄を感じさせる手。

「我々も全力を尽くそう。積極的に支援するつもりだ。」
「俺もそのつもりです。」

差し出された手をじっと見つめ、ダルイも手を差し出した。
力を込めてお互いの手を握る。
太くはないががっしりとした逞しい手だった。

と、ガチャリと言う音と共に部屋の扉が開いた。
水影が部屋に入ってくる。
ゆったりとした動作にはどこか上品さすら窺えた。
その隣には雷影の姿。
話し合いはどうやら終わったようだ。

「水影様、雷影殿。話がつきましたか。」
「終わったんスね、ボス。」

二人同時に椅子から立ち上がる。
こちらの問い掛けに水影がにこりと微笑んだ。

「ええ。これにより、霧と雲が手を組む事で決まりました。」
「霧も雲も、同じ相手を敵にしておるからな。儂らは何としてでもあいつを助け出さねばならん。」

雷影と視線が合い、ダルイは彼を見つめた。
こちらに頷き返して彼が言った。

「シーの救出はお前に頼みたい。だが、無理だけはするな。ただでさえ今の雲は重要な補佐を欠いておる。」
「分かってます。必ずやり遂げますよ。」
「いいか、無茶はするなよ。シーだけでなくお前まで失ったら里の打撃はかなり大きい。心しておけ。」
「了解です、ボス。」

青が水影に尋ねる。

「で、救出はいつに?」
「今日中に根城の場所を特定して実行した方がいいわ。時間の問題よ。」

水影が答え、ダルイにこう付け加えた。

「けれど、それと同時に冷静に行動していきましょう。あまり急いては事を仕損じてしまうから。何せ相手は厄介な連中だもの。」
「・・・肝に命じておきます。」

拳を握る手に力を込めた。
絶対に助け出す。
何が何でも絶対に。
━無事でいてくれよ・・・。
心の中で強くそう願った。
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