□日はまた昇る4.5
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━・・・?
何かを感じ取り、再び青は立ち止まった。
微かだがチャクラを感じる。
今にも途切れ掛けてしまいそうな小さな反応だったが、長年感覚を研ぎ澄ませてきた自分の感知能力は難なくそれを拾い上げた。
片手で長十郎を制して立ち止まらせる。

「先輩?」
「何かいるぞ。微かだがチャクラを感じる。」
「えっ、じゃあ敵か何かが!」

こちらの言葉に反応し、咄嗟に長十郎がヒラメカレイの柄に手を掛けた。
身構えると辺りを見回し、青に言う。

「どうするんですか?」
「何がいるのか確かめる。相手は衰弱しているようだ。チャクラの反応がかなり薄い。」
「僕らはどうすれば?」
「ゆっくり進め。気配はなるべく消しておけよ。」

静かに草原を進んで行く。
伸び放題になった草を掻き分けながらチャクラの居場所を探る。
頭の中で考えを巡らせた。
負傷した忍か?
それにしてはかなり小さく、チャクラの流れも違う。
人ではなく動物のようだ。
一体何故こんな所に。
やがてその答えはすぐに見つかった。

「・・・鳥、か。」

草原の開けた所で一羽の鳥が翼を広げたまま落ちている。
周囲には点々と血の跡があり、飛び散った羽も幾つか落ちていた。
近寄って確かめてみると、伝達用の鷹のようだった。
背中に細長いポーチを背負っている。
屈んで鷹の様子を調べた。
微かに鷹が身動ぎ、ガラス玉のような目でこちらをじっと見つめてくる。
あからさまな警戒がその視線から感じ取れた。
襲われると思っているのだろう。
やがてゆっくりと鷹が目蓋を閉じていった。
それと同時に細い糸が切れるかのように、プツリとチャクラの感覚が途切れてしまった。
どうやら事切れたらしい。
最後の力も使い果たしたようだ。
これだけ濃い霧だ。
恐らくそれで迷ってしまい、里に辿り着けなかったのだろう。
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