□雲隠れ1
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「お前、気付いてたのか?」
「まあな。あえて言わなかった。」
「・・・感知タイプ、チートすぎんだろ・・・。」

そう言うとダルイはシーとユギトを見つめた。
黙ってそれぞれの顔を見比べる。
パチッとした鋭い黒眼。
整った鼻。
小さめの口。
金髪に白い肌。
姉弟でもある二人はそっくりな顔をしていた。
そっくりと言っても多少の違いはある。
ユギトの方が尖った顔つきだ。
シーは彼女よりもやや丸みを帯びた顔をしている。
目つきも彼の方が柔らかい。
それでもこの二人はどこか似ていた。

「最近あまり会ってなかっただろ?調子はどうかと思ってね。」

ユギトはそう言うと二人の間に立ち、それぞれの肩に手を置いた。
いつもの無表情でシーが答える。

「ああ、ここのところ任務で出かけっぱなしだったからな。あまり会えなかった。」

ダルイもさらに付け足す。

「それだけじゃなかっただろ。シーの奴、完徹続きでぶっ倒れて寝込んでたんスよ。それも理由に入ってます、多分。」

シーが素早くダルイに向き直る。

「な、おい、ダルイ!余計なことは言うな。」
「いや、言っとかねーとお前また根詰めるだろ?家までお前を運ぶの、大変だったんだからな。」
「ぐ・・・。」

ユギトは眉をひそめて弟を見た。

「何だ、倒れたのか?無理はいけないって言ってるのに。全く。」
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