□雲隠れ1
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「だりぃ・・・。」

無意識にポツリと呟く。
いかにも気だるそうな雰囲気を漂わせながらダルイは歩いていた。
なるべく小さな声で言ったつもりだったが、隣を歩く相方には聞こえていたようだ。
顔をしかめてシーがこちらを向いてくる。

「ダルイ、そう何度も同じことを繰り返すな。おかげでこっちまでだるくなってくる。」
「だるいんだからしゃあねーだろ。」
「お前な・・・。」

シーは呆れ顔でダルイを見た。
ダルイとシーは中忍の頃に一緒に班を組んだのがきっかけで、それ以来よく共に行動してきた仲だった。
このようなやり取りももう何千回も交わしてきている。
上忍になった今では、もう定番中の定番になってしまった。

と、後ろの方から誰かが走ってくるのが聞こえてきた。
軽やかな足音がだんだんこちらに近付いてくる。
ダルイとシーが振り返るよりも早く、二人の間に女が割り込んできた。

二人は驚いてその女を見た。
が、次の瞬間には笑い出していた。

「アンタだったのか、姉さん。」
「あー、ユギトさん。ビックリするじゃないスか。」

二人の言葉に、ユギトはニカッと眩しい笑顔を見せた。

「久し振りだね。二人がいるのを見かけたから、声を掛けたくなったのさ。」

シーがユギトに言う。

「いきなり割り込んだら驚くだろう。」
「何言ってんのさ。驚くも何も、アンタずっと前から私を感知してたくせに。」
「割り込んでくるとは思わなかった。」
「相変わらず素っ気ないね、アンタは・・・。」

そう言うとユギトはやれやれ、と溜息をついた。
ダルイはシーに言った。
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