dream two
□師匠と僕と姉弟子と。
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「せんせい、お塩がありません」
あ、なんか嫌な予感。
「砂糖でも入れておけ」
と、赤毛不良神父師匠。
「貴方、お魚の砂糖焼きなんてお食べになりたいんですか?」
と、麗しいが恐ろしい料理上手な姉弟子。
「……アレン、行って来い」
「アレンちゃん、行って来て」
「え―――――っっ!!」
「「行って来い」」
「………ハイ」
塩を持って家(ものすげえギャンブル強い姉弟子が勝ち取った。滞在先を変える度、寝床はこうして手に入れられる)に戻ると、
傍若無人師匠はがぶがぶと浴びるようにお酒を飲んでいて(そんなにお酒買うお金あるんなら借金返してください!
僕このあいだまた怖いおじさんたちに誘拐されかけました!!)、
その傍若無人師匠絶対主義な姉弟子は彼の膝の上に座って御酌していた。(このバカップル!!)
「塩買って来ましたよー」
「はーいありがとー」
「アレン、ロザンナに水やって来い」
「はー」
い、と言おうとしたところで、庭のほうでなにやらすごい音が聞こえた。
「え!?」
焦る僕に対して、怖いものなしの二人はまた襲撃ですかねとか知らんとか言っている。
「アレン、なんかいる?」
「えーっと………ギャーッ、AKUMAがいっぱい――――っ!!」
「あー、やっぱり」
「そろそろだとは思っていたんだがな」
「伯爵もしつこいなー」
「お前に惚れてるノアじゃねえのか?」
「なに暢気に喋ってるんですか! なんとかしてください!!」
「お塩も来たことだし、お夕飯の仕度しなきゃ」
「さて、新薬の実験経過でも見に行くか」
「「アレン、壊っとけ」」
「え――――――――――っっっ!!!!」
天国のマナおとーさん。
僕の生命線って短いのかな?(涙が零れないように上を向いてるから見えないよ!)
(なんていうかもう、いつ死んでもおかしくない気がする…)
(アレーン、ご飯だよー)
(今行きます!!)
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