復活

□Filter
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何故そんな瞳をしている?

何故そんな瞳で僕をみる?

儚い君が前までは嫌いだったのに、今を護ってあげたくて。

僕が君のfilterになる、だからもうそんなに悲しげな瞳で、泣かないで―…。


微かに薬品の匂いがする、雪のように白い病室に、僕は横になって目を閉じていた。

警戒心だけは強く、葉の落ちる音でさえ敏感に反応するが、今さっき意識が眠りから覚醒した為ただ目を瞑ることにした。

微かな音でさえも拾う耳に、小さな足音とこちらに寄る気配がして、ゆっくりと目を開いた。

「沢田綱吉…?」

真っ白い視界に入った人物に、驚きを隠せない。

僕は何故だか、この小動物のような…嫌いだったはずの彼に、想いを寄せてしまっている。

彼は今にも泣きそうな顔で、自分を見つめた。

一体何故…?

「何故…?」

呟くように問うと、彼は寂しげな声で小さく、言った。

「あなたがー…好きなんです…」

潤んだ彼の瞳からは、透明な…綺麗な涙が、零れ堕ちる。

それを指先で掬い、告げられた言葉に驚いたことを隠すように、同じ想いを紡いだ。

「僕も、好きだ。だから、…そんなに泣かないでよ」

まるで触れるだけで壊れそうな小さな彼を、腕に閉じ込めるように抱き締めた。

彼は壊れ物のように、儚げで…そんな君のfilterになりたい。

…今までの自分には有り得ないくらいに、甘い感情だけれど。

「…雲雀…さん…」

離れようとする躯を、引き寄せてまた抱き締める。

もう二度と離さないようにと。

彼を手放してしまったら、僕の手から滑り落ちてしまいそうで、…ふいに怖くなった。

この手を離してしまったら、今にも君が消えてしまいそうで、…怖くなって。

「泣かないで。…僕が君を、護るから。泣いたら、…許さないよ?」

横暴?そんなの知らない。

軽く唇を吊り上げて笑えば、彼は涙を拭い、小さく微笑んだ。

これから先、きみに何があっても僕が君のfilterになって君を護ってあげる。

大好きな君を泣かせたりなんて、しない。

…離れたら許さないよ?
離れたら何度でも君をこの腕で閉じ込めてあげる。

僕達はこれから先、永遠に傍にいると、…君のおかげで信じたくなったんだ―…。


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