復活
□Cigarette
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真夜中の路地裏、紫煙の匂いが鼻を掠める。
冷たい闇のような路地裏に、煙草の煙が見えたんだ―…。
真夜中の路上に、人の姿は見当たらない。
俺「沢田綱吉」はジュースを買いに、自動販売機にいた。
自動販売機にした理由は、家からスーパーが遠いから。
自分の家からもっと近い自動販売機があったはずなのに、何故か無性に歩きたくなった。
コインを入れ、チカチカしているボタンを押す。
ガコンと音を立て、温かなコーンポタージュが出される。
…ジュースからコーンポタージュにしたのは、寒さを感じたからで。
熱すぎるプルタブに眉を寄せながらも、開けて一口飲む。
熱い缶を頬に少し当てながら、意味もなく辺りを見回した。
すると煙草の煙の匂いが、鼻を掠める。
匂いのある方に歩いて行く。
近いせいか煙も見えてきた。
「…誰?」
すると、暗闇から声が聞こえた。
眉を軽く寄せながら闇に近寄る、街灯のおかげで顔も少しだけ見えてきた。
「…!あなたは…」
ちらりと見えた顔に見覚えがあった。
そう、風紀委員の「雲雀恭弥」さんで。
色んな意味で心臓が跳ね、思わず唾を飲む。
「沢田綱吉…」
雲雀さんが俺を見て、小さく呟く。
「え…あ…のどうして…ここに…?」
なんだか沈黙になりそうだったので問い掛けると、雲雀さんはさらりといった。
「…暇だったから。…それ…」
雲雀さんの目線が、コーンポタージュを口にしている口元に移った。
「…いりますか?…えっ…?…!!?」
その、瞬間。