復活

□White Christmas
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12月25日、「クリスマス」
俺は授業中空ばかり、見ていたんだ。

…雪、降らないかなぁ。

でも、例年からしてこの次期はまだ、降らない。

この地域で雪が降るのは、もっともっと後だから。

分かってはいるのに、俺は冷たい窓ガラスに両手をつけ、淀んだ空を窓ガラス壁から見つめる。

子供の頃、否この間も皆で雪合戦して遊んだよなぁとか思いながら。

今は終業式が終わり、担任が通知表を渡す時だ。

出席番号的に、俺はかなり最後のほう。

今は…あ、…アイツだ。

俺には好きな奴がいる。

昔から好きで。

沢田綱吉。

通称ツナ。

ツナは男にしてはかなり可愛い奴で…正直、他の奴にとられて仕舞わないかと、不安だ。

「どうだったか?ツナ」

俺が聞くとツナは小さく「うぅっ〜…」と呻き、呟いた。

「もう本気で無理っ…。」

まぁ、ツナらしいな、と納得する。

去年もそうだったからだ。

「まぁ、平気だろっ?俺だって成績悪いしなっ」

体育には自信があるとはいえ、学力はマズイ。

「山本はいいじゃん!体育があるから!」

…いや、お前は可愛いからいいだろ。

…狙う奴多くて大変だけどな。

「その他は駄目だぜ?…あ、俺の番だから行くな」

担任が「山本」といい、俺は席を立つ。

通知表を貰い、席に着く。

隣の席のツナが小声で「どうだった?」と囁いた。

(マズイ…ツナが可愛いすぎる…)

…野球馬鹿だけど、自分はツナ馬鹿な気もする。

「後で教えるな」と小声で返す。

ふと窓へ視線が戻り、空を見る。

(雪降らないかな)

そう、密かに…心のなかで、祈る。

またみたいな、と付け足しながら、淀んだ冬の空を見上げた。
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