復活
□太陽の贈り物
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―次の日に変わることを告げる時計の針に、雲雀恭弥はため息を吐いた。
たった今切り替わった日、いや、5月5日だということに雲雀は眉を軽く潜めた。
―5月5日。
それは黒髪を軽く指で鋤き、切れ長の漆黒の瞳を眇めるこの少年が生まれ落ちた日である。
少年はひどくこの日を毛嫌いしていた。
―何をそんなに騒いで、祝うものなのかと。
毎年、この日に己や他の、同じ日に生まれ落ちた人は歳を一つ重ねる。
それは死に近づくことをさす。
なのに、どうして「お誕生日おめでとう」などと祝うのだろう。
少年は、思案を巡らせた。
しかし浮かばない答えに軽く舌打ちをし、部屋の明かりを消して就寝についた。