自作お題100!
□自作お題、1〜5
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1「太陽」:シル→ゴ
夜空に輝く月は所詮太陽には届かない。
月は孤高の空に置き去りのまま、独り寂しくて。
太陽に触れれば触れる程、想いこがれる。
オマエは俺にとって"光"であり、"太陽"だから。
俺には眩しすぎて、遠い。
夜空に置き去りにされた月は、独りになる他なくて。
「…ゴールド」
愛しい名を、そっと小さく呟く。
太陽のように、眩しいオマエに、俺は触れられない。
手を伸ばせば伸ばす程想い焦がれて、遠のく。
月は太陽を忌み嫌う。
けれどそれはただ、ただ。
「…うらやましい」
だけなんだ。
月は太陽に憧れを抱き、独り、孤独に生きる。
どんなに焦がれ、求めても、渇くだけなのならば。
ーー俺から、離れるだけだ。
「…俺は…」
本当に今更すぎる事。
けれど、溢れるくらいに、"愛しい"。
誰かれ構わず笑う、"太陽"なオマエが大嫌い。
けれど、そんなオマエが、大好きだ。
月と"太陽"は裏表。
オマエ無しでは、俺は生(存在)きれないから。
夜空に舞う星は、満開に、笑っていて。
ーーあぁ、そうか。
今更な事、か。
クク、と小さく笑みが漏れる。
今更、アイツから離れようだなんてできる訳などないのに。
何度でも渇いたって、"愛しい"ものはしょうがない。
オマエが俺に笑いかけてくれるだけで、幸せだから。
柔らかな、夏の夜の風が、少年の燃えるような…赤い髪を撫でた。
涼風が少年の白い肌を優しく撫でる。
ーーきっと、こうして笑えるのも、オマエのおかげだ。
心から溢れる笑みを少年は隠さなかった。
ーー届かなくても、何度でも、君の名を呼ぶんだ。
「シルバーっ!!」
…だって、ほら。
優しく振り返れば。
オマエが俺を、呼んでくれるからーー。