その他、版権
□Happy Summer Time!!
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「せ、ん…ぱ…んっ、…っ、…ふっ、あ…っ…」
いつもの姿からは想像のつかない甘い声が、俺の耳を擽って。
口内を味わうように、舌先で蹂躙すると、銀の糸を引きながらリップ音を立てて唇を離した。
カァ、と頬を紅潮させて見上げる姿はなんだか可愛くて。
見とれていると、目の前の後輩が肩を震わせた。
それさえも可愛く感じて、手を伸ばした瞬間。
「近寄る…なぁああああ!!」
般若の顔をした後輩に、本の角で殴られた。
鈍器で殴られたような痛みに、俺は頭を抑えながら、夏の日差しで熱いアスファルトに平伏した。
「こ、今後もこんなことしたら許しませんからね!」
平伏した俺に叫ぶように言いながら、足音を立てて離れていった。
暫くして扉の開く音が聞こえ、帰るんだなと頭の片隅で思う。
しかし、閉まる音がしなかった。
何故だろうと思考を巡らせると、爆弾が投下された。
「それと、…近寄るなら背後からじゃなく真っ正面から来てください」
―え、えっ、じゃ、じゃあ…!?
心がボールのように跳ねるのと同時に、自然と頬が緩んで…立ち上がり、後輩に飛び込む。
「日吉っ、可愛いっ大好きだCー!っ、ぐぁ!」
すると、再び本の角で殴られた。
―真っ白な雲に、あっつい太陽の下、俺は何度も可愛い後輩に抱きついた。
そして、…本の角で殴られるというのがループされたのは言うまでも、ないーー。
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