その他、版権
□Happy Summer Time!!
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あっつい夏の陽が差し込む窓際の席で寝ていた俺は、お昼休みに入るチャイムに飛び起きた。
勿論、授業のチャイムなら起きなんてしない。
けれど、この昼休みだけはどうしても起きていたいんだ。
俺は早足で数階分、階段を駆け上がり銀色の扉を勢いよく開けた。
そして、相変わらず(俺にとっては)難しい本と見つめあっている、後輩に忍び寄った。
なんで忍び寄るのってはなCー?
…それは見てのお楽しみ!
…相変わらずの後輩は俺に気づかないみたいで、本のページをパラパラと捲っている。
暑いのだろう、汗に濡れる首筋が酷く俺を煽って少し屈んで、リップ音を立て吸い上げると、大好きな褐色の目が見開かれていた。
「っ!?な、何するんですか!!」
首まで真っ赤にする後輩に「俺を無視して本ばっかに構ってる日吉が悪いんだC〜」と笑えば「後ろから歩み寄るなんて気づくも何もないですよ!」
バカじゃないですか?と突っぱねている褐色の瞳はどこか俺を惹き付けて。
…ふと、可愛いと、思った。
「…、芥川、先輩…?どうしたんですか…んっ!…っ、ふ…っ」
珍しく静かな俺を訝しげたのか、日吉が首を僅かに傾げた。
それさえも、今の俺には効果抜群ならしく、…抑えることなんて、できなかった。
重ねてしまったそれはひどく柔らかくて。
「想像した」よりもずっと魅惑的なモノだった。
想像したことなんて、実は何度もあった。
いつの間にか、いつも突っぱねるクセになんだかんだといって優しいこの子が好きに、なっていて。
元々、お昼に屋上で会おうと決めたのも俺からで、半ば強引的だった。
強引的というか…結局は日吉の優しさに、甘えたんだ。