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□コーラ×サイダー☆間接キス!?
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「一口くれないか?」
僕が首を傾げて問うと、飛鳥井は軽く目を眇ながらも「少しだけだぞ」とOKサインを出してくれた。
飛鳥井も「じゃあそっちも一口くれないか?」と聞くので、僕は「いいよ」と返して、互いの正反対の色の缶を交換した。
飛鳥井が僕が飲んでいたコーラの縁に口をつけた瞬間に顔がぶわっと熱くなってしまった。
そう、気付いてしまったことがあったから。
だ、だ、だって、か、間接…キス…!!
飛鳥井は気付かない為か、音を鳴らしてコーラを喉に流している。
その際に浮き出る喉仏があまりにも綺麗に、扇情的に感じて、目が釘付けになってしまう。
僕は心臓がドキドキと飛び出るくらいに高鳴ってしまっていて口をつけれずにいた。
飛鳥井は気付いていないのだから、僕も知らないふりをして平然と口をつければいいんだけれど。
間接キス、だし。
そればかりが頭を巡るのと同時に飛鳥井の紅い濡れた唇を想像してしまう。
柔らかいんだろうなあ。
だとか、唇から漏れる甘い声はどうなんだろう…?
などと厭らしい事を考えてしまう。
未だに缶に口をつけれない僕を不思議に思ったのか、飛鳥井が僕の顔をのぞきこんだ。
「飲まないのか?」
僕はドキドキしながらも、そっと缶の縁に口をつける。
間接、キス…。
赤くなる頬を自分の中で「暑い」などと言って誤魔化す。
コーラにはないスッキリさのある強い炭酸が口のなかで泡を弾けさせる。
それを嚥下して、唇を離して青い缶を渡した。
「どうだ?美味しいだろ?」
滅多に見せてくれない綺麗な笑みで問われて、鼓動が甘くトクン…と揺れる。
この、唇を奪えてしまえたら。
そう考えるだけで胸に熱い何かが渦巻く。
「えっ、う、うん。美味しかったよ!」
僕は我に帰って、答えた。
すると、飛鳥井が舌先で濡れた赤い唇を拭っていて、…僕の中の何かが炭酸のように弾けた。