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□Hot Marble
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ーー星の散る漆黒の熱帯夜に包まれる中、とある小さなアパートの一室は二つの荒い吐息に包まれていた。

「…っ!ふっ、んっ、あぁっ…!!っ…ふっ、んっ、んぅっ…」

アルビノの白に抱かれる鴉の黒は己の甘い声を左手で殺しながら、襲いくる激しい律動を受け入れていた。

律動の合間から奏でられる卑猥な水音に耳を塞ごうと黒い彼は幻想を殺す右手をあげようとするが「抑えンな、三下ァ」と白い彼により阻まれた。

身体を包むあたたかさと、狂う程の夏の熱さと、混ざりあった互いの様々な体液に黒い彼ー『上条当麻』は酔しれそうになっていた。

律動の度に舞う白い彼の糸が、宝石のように美しい深い紅の瞳が、ひどく当麻の中の何かを駆り立てた。

「ッ!…テメェ、当麻ァいい度胸じゃねェかよ…ッ!」

黒い彼の勢いよく締まった淫らな孔に白い彼ー『一方通行(アクセラレータ)』は息を詰め、悪態をつきながらも狂喜に似た笑みを浮かべ、繋がる細腰を今以上に引き寄せて、淫らな奥を突いた。

すると、黒い彼の喉奥からは快楽に満ちた声が上がり、これでもかというくらいに男の精液を貪るかのように勢いよく締まった。

「ホンット、オメェは可愛いな、当麻ァ」

耳をくすぐる甘い声に、黒い彼の心臓はまるで飛び出しそうな程に激しく跳ねあがった。

白い彼はそれに気をよくしたのか、唇の端を吊り上げて赤く染まる黒い彼の柔らかい耳朶に歯を立てた。

「ひあっ!?…っ、あ…っ、アク、セラ…、レぇ…タァ…っ!…っ、ふっ…んっ…。」

黒い彼の喉が快楽の声を上げれば、白い彼は己の瞳と同じ色をしている唇肉に己のモノを重ねた。

厚い舌を互い共々絡めあい、互いの唾液を混ぜ合わせていく。

何分したのか、黒い彼の唇からは混ざりあった透明の粘質を帯びるそれが溢れ、彼の頬は赤に染まっていた。

白い彼はそんな彼を離し、紅の瞳でその姿を捕らえた。

「好きだぜェ、当麻ァ…」

耳に落ちる、甘さを含んだ低い声に黒い彼の脊髄に痺れが走った。

黒い彼は顔を赤に染めながらも、負けじと言い返す。

「っ、俺も…だっ、…アクセラ、レータっ…!」

紅の瞳を見開き、驚いている白い彼を余所に黒い彼は自ら己のモノを重ねた。

そして互いの背中に腕を回し、夏の夜に溺れていった。

正反対な二人は幾度となく、熱帯夜のように熱い口付けを交わし、黒檀の闇に沈んでいった。

深く、けれども澄んだ夏の夜だけが、白黒の彼らの行方を知るのだったーー。
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