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□錆びついたリンゴ
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―艶めいたリンゴに触れた指先は、錆び付いた匂いがした。

自分に向けられた、憎悪に爛々と輝くアメジストの瞳は、既にもう黒く長いカーテンにより、隠されていて。

そのカーテンが開くことは二度とないと知った、凍てついた夜。

僕は、大切で仕方なかった人をこの手で、―終わらせた。
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