携帯獣

□極彩色の世界
2ページ/7ページ

なんで、なんで俺は生まれてきたんだ。

そう誰かに問いても、誰も答えてなどくれない。

否、その人々の態度が答えか。

人々は月のように気高く鋭い瞳で、嘲笑うように俺を見つめる。

温もりなんて、知らない。

自分が愛されるべき存在ではないと、分かっているのに。

なのに、求めてしまう。

あまりにも、遠く、焦がれて。

けれど、そこにあった。

誰とも違う、唯一の答え。

「――――――……」

俺は、やっと、やっと光を見つけた――。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ